丸子稲荷元宮(左口神社)

静岡市駿河区丸子字泉ヶ谷

丸子稲荷元宮鳥居

概要

丸子稲荷神社は承平七年(937年)創祀とされる。
丸子宿の産土神として千年以上の歴史を持つ由緒ある古社である。
また、戦国期の名山城として知られる丸子城の鬼門守護としても崇敬されていた。

昭和五十三年、本社が当地の西側に遷宮された。
静清バイパス建設に伴い、社地の大部分が失われることになったためである。
残地神域は稲荷神社元宮とされ、境内社の山神社、左口神社(猿田彦命)を奉斎している。
(瀧本雄士「丸子路の史跡めぐり」より)

境内社
境内三社殿

大正元年編纂の「長田村誌」によれば、その他に天白社(天照大神)、金山社(金山彦命)が祀られている。
また、宇気持命を祭神とする別の稲荷神社も合祀されているようだ。
さらに、「静岡市神社名鑑」では配祀神として菅原道真も挙げられている。

踏査結果・考察

山神社、金山神社、天神社
山神社、金山神社、天神社

元宮にある三つの社殿のうち、中央の社殿の扁額には山神社、金山神社、天神社と明記されている。
両脇の社殿には扁額がなく、残る左口神社と天白社と推定されるが確認できていない。
向かって左側の社殿は神明造りであることから、天照大神を祀る天白社の可能性が高いと考える。

左口神社と思われる社殿
左口神社と思われる社殿
天白社と思われる社殿
天白社と思われる社殿

丸子には、丸子稲荷神社、丸子津島神社丸子谷津神社の三社のシャグジが現存していることが確認できるが、今井野菊氏の踏査記録によれば、更に多くのシャグジがあったようだ。
ただ、御利益など具体的な伝承が伝わっていない。

農村部のシャグジは道祖神的な境界神や作物神としての性格が強いが、東海道の宿場町である丸子のシャグジはどのような信仰形態だったのだろうか。

2022/9/11踏査

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